24Oダイアリー

旅行の記録

5.21 壁の向こうへ@ベツレヘム、ヘブロン

久しぶりにキッチンがある宿だったので朝はトルコで買ったカップ麺を作って食べた。さすがトルコ。美味い。

f:id:ny2401228:20190522024402j:image

 

まずは岩のドームがある神殿の丘へ。少し見つけにくい入り口から渡り廊下のようなもので入場。
f:id:ny2401228:20190522024358j:image

 

アルアクサモスク。聖地の割に割と地味だ。
f:id:ny2401228:20190522024408j:image

 

振り向くと岩のドームが見える。
f:id:ny2401228:20190522024354j:image

中にはムハンマドがそこから昇天したと言われる聖岩があるらしい。ムスリム以外は入れないが……
f:id:ny2401228:20190522024423j:image

神殿の丘はユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地だが、イスラム教の存在感が圧倒的に強いように感じた。

 

ダマスカス門の前のパン屋で昼ごはんにパンを買う。2つで10シェケル(300円)なのはイスラエル価格なのか観光地価格なのかぼったくりなのかは分からない。
f:id:ny2401228:20190522024420j:image

f:id:ny2401228:20190522024349j:image

 

バスに乗りベツレヘムへ。ベツレヘムパレスチナにあるが、特に検問のようなものはなかった。
f:id:ny2401228:20190522024345j:image

 

バスを降りてバンクシーの絵を目指して歩く。ベツレヘムにはバンクシーの絵や彼が手がけたホテルがあることを昨日会った日本人に聞いていた。バンクシーを知ったのは最近の東京の件だが、せっかくなので見に行くことにした。

 

バンクシー1枚目は土産物屋の中にある。というかバンクシーの絵で儲けるために土産物屋が建ってしまったというのが正確なところだ。
f:id:ny2401228:20190522024412j:image

グラフィティアートというやつは今まで全く知らない世界だったが、これは素晴らしい作品だと思った。土産物屋が邪魔すぎるが。

上の写真に写っているガキが「タダだから写真撮りなよ」と言う。何か買わないと写真を撮れないとネットで見ていたので怪しいなと思いつつシャッターを切ると、その瞬間「ギブミーマネー」と言い出した。
f:id:ny2401228:20190522024416j:image

話が違う、大人をナメるなと怒りながら何も払わず店を出た。嘘をつく人間に払う金などないのだ。

 

バンクシー2枚目。これは普通の壁に書いてある。

f:id:ny2401228:20190522024606j:image

 

パレスチナイスラエルの境界(正確には少しパレスチナの領土内に侵入している)には分離壁があり、パレスチナ人は自由にイスラエルに入ることができない。

この壁には実に多くのグラフィティアートが描かれている。
f:id:ny2401228:20190522024623j:image

f:id:ny2401228:20190522024641j:image

分離壁の横には「世界一眺めの悪いホテル」と呼ばれるバンクシーが手がけたホテルがある。
f:id:ny2401228:20190522024552j:image

f:id:ny2401228:20190522024611j:image

 

中に博物館があるので入ってみた。めっっっさお洒落。
f:id:ny2401228:20190522024630j:image

共有スペースにはアートがあふれていた。部屋の中がどんな風なのか気になるところだ。
f:id:ny2401228:20190522024600j:image
f:id:ny2401228:20190522024555j:image
f:id:ny2401228:20190522024635j:image

 

ホテル内の博物館はパレスチナに対するイスラエルの行い(仕打ち)を展示していた。

IDやナンバープレートによってイスラエルへの入国に著しく制限がかかるらしい

f:id:ny2401228:20190522024750j:image

イスラエルの使用した武器
f:id:ny2401228:20190522024817j:image

ガザの模型
f:id:ny2401228:20190522024742j:image

パレスチナ人のメッセージ

f:id:ny2401228:20190522024800j:image

他にも「イスラエル軍だ。今からこのエリアを爆撃する。5分あるから出ていけ」といった電話の再現(英語でだが)やビデオによる説明などヘビーだが充実した内容だった。パレスチナ側の言い分ではあるが、少なくともイスラエルは歴史の被害者であると同時に加害者でもあるのだということは言えるのではないかと思う。

 

ホテルを出て分離壁沿いに歩く。
f:id:ny2401228:20190522024754j:image
f:id:ny2401228:20190522024738j:image

分離壁が向こうまで続いているのが見える。
f:id:ny2401228:20190522024813j:image

 

ぎっしり並ぶグラフィティーアートはパレスチナ人の叫びが聞こえてくるようだ。ベルリンの壁もこんな感じだったのだろうか。
f:id:ny2401228:20190522024804j:image

Just Remove it
f:id:ny2401228:20190522024809j:image

f:id:ny2401228:20190522024745j:image

Make hummus, not walls

f:id:ny2401228:20190522024938j:image

All racists are bastard
f:id:ny2401228:20190522024930j:image

f:id:ny2401228:20190522024926j:image
f:id:ny2401228:20190522024950j:image

 

ひとしきり見終わったあとは乗合タクシーヘブロンに向かう。前に座っていた女性がコナンを見ていた

f:id:ny2401228:20190522025009j:image

 

ヘブロン啓典の民の始祖アブラハムらの墓がある聖地である。タクシーを降りた時に声をかけてきたおっちゃんの息子が連れて行ってくれると言うので何度も無料か確認してついて行く。モスクまでの道はバザールが続き、ムスリムで賑わっていた。
f:id:ny2401228:20190522024934j:image

案内してくれた少年は英語が話せたのでいろいろ教えてくれた。40歳以下のパレスチナ人はパーミッションがないとイスラエルに入れないがそのパーミッションを取るのが非常に難しいそうだ。「イスラエル人はパレスチナの若者がみんなテロリストじゃないかって恐れているんだ。自分たちの土地じゃないからね。」と言っていた。市場の上には網が張ってあったが、これはユダヤ人入植者が投げてくるゴミをよけるためのものらしい。

彼の母親はブラジルにルーツがあるらしく、パレスチナのパスポートは弱すぎるのでブラジルのパスポートを持っているらしい。選挙にさえ行けば維持できるそうだ。

 

そんなこんなでアブラハムモスクに到着。内部はムスリムセクションとユダヤ教徒セクションで分かれている。非ムスリムムスリムセクションに午前中しか入れないらしく入れなかった。

少年はユダヤ教徒セクションには入れないので別れを告げる。チップをくれと言われることすらなかった。疑ってごめんな。

ユダヤ教徒セクションは超正統派ユダヤ教徒が何人か見られる。
f:id:ny2401228:20190522024954j:image

お墓がいくつかあり、人々は熱心に祈っていた
f:id:ny2401228:20190522025004j:image
f:id:ny2401228:20190522024942j:image

f:id:ny2401228:20190522024958j:image

ここの警備員がとてもフレンドリーだったので話をしていたが、彼らは高校卒業後の2年間の兵役中らしい。色々な場所の警備員が若かったのはそういう事情があったからなのか。

 

またバザールを通って乗合タクシー乗り場へ戻る。途中で水を買おうとすると5シェケルと言われた。物価の安いパレスチナエルサレム旧市街と同じ価格な訳がないので交渉すると2シェケルまで下がった。

f:id:ny2401228:20190522025151j:image

木曜日に国会議事堂に行く予定だったが、ドレスコードによりスウェットパンツでは入れないらしいのでジーンズも購入。旧市街では70シェケル以上したがここでは45シェケルで買うことができた。

 

乗合タクシーベツレヘムに戻りまたバンクシーの絵を見に行く。途中で降誕協会(キリストが生まれた場所に建つ教会)を通り過ぎた。エルサレム行きの最終バスの時間を考えると今日入るのは無理そうだったので後日行くことにした。

f:id:ny2401228:20190522025115j:image

教会の近くには巡礼者用の宿もあった
f:id:ny2401228:20190522025102j:image

 

バンクシー3枚目。小さな店の横にあり見落としてしまいそうな場所にあった。
f:id:ny2401228:20190522025110j:image

 

バンクシー4枚目。中心街から離れたガソリンスタンドの壁に描いてある。
f:id:ny2401228:20190522025050j:image

 

1時間かけてバス停まで歩きエルサレム行きのバスに乗った。帰りは検問があり軍人がバスに入ってきてパスポートチェックがある。

パレスチナ人が不法侵入しないようにしているのだろう。

f:id:ny2401228:20190522025046j:image

俺はパスポートを差し出したら表紙を見ただけで中を開くこともなく笑顔で返してくれた。

 

バスからも分離壁が続いているのが見える
f:id:ny2401228:20190522025055j:image

 

今日の宿の夜ご飯。昨日より野菜の種類が増えている。
f:id:ny2401228:20190522025058j:image