5.5-6 湖と山と猫の街でラマダン開始@ワン
5.5
ワンは朝ごはんが有名らしい。
Kahvaltici(朝食屋)という名前の通りがあるくらいだ。
スタンダードセット。20リラ(370円)と朝ごはんにしては高級だが、めちゃくちゃ気分が良い。左手前のカスタードクリームを固めたようなものとハチミツの組み合わせがめちゃくちゃ美味しかった
イランを出てクレジットカードが使えるようになったのでATMを探す。トルコの野良犬は耳に番号札が付いており管理されているようだ
何個もATMをまわったが、どのATMでも取引できない。何があったのかとカード会社に問い合わせると、26日に引き落としは完了しているがゴールデンウィークによりそれがカードの枠に反映されていないとのこと。ゴールデンウィーク許さん。
ドルムシュというバスとマルシュルートカの中間のような乗り物で移動。
目的地はワン猫の保護と繁殖を行う施設だ。ワン猫とはオッドアイの白猫であり、トルコ国外への持ち出しが禁止されている猫らしい。
雌雄別に庭が分かれている
カメラを向けるとこちらに寄ってきて触ろうとしてきた。めっちゃかわいい。ほんまにオッドアイや、、、
中に入ってエサやりもすることにした。入場料2リラと合わせて8リラ。エサを持っているからか人懐っこくこちらに寄ってくる。
施設の中では子猫たちもたくさんいた。ただただ癒しである。
市街地に戻り昼ごはん。朝ごはんの食べ過ぎであまりお腹が空いていなかったので、煮込み料理はパスしてスープをいただく。
メルジメッキ・チョルバスというトルコの定番の豆のスープだ。
普段はこういう豆の料理は好んで食べないが、2年前のイスタンブールで衝撃を受けこれは大好きになっていた。丁寧な裏ごしによるめちゃくちゃ滑らかな口当たりが特長である。
続いてワン城跡へ。麓からの写真を撮り忘れていたが、なかなか大きな丘に立つ長い城壁が目を引く。
ワンに遊びにきたクルド人の女の子についてこいと言われ丘を登る。
丘の上から眺めるとワン湖と山と草原が実に美しい。頂上に着くと女の子たちがクルドのダンスを踊り始めた。もちろん巻き込まれた。
夜ご飯はメルジメッキ・チョルバスとブルグル・ピラウ(麦を炊いたやつ)とギュヴェジ(羊と野菜の煮込み)のセット。13リラとなかなか安い。やはりトルコの煮込み料理は最高だ。
ご飯を食べているとどこからかものすごい歓声が聞こえてきた。ガラタサライとベシクタシュの試合をやっているのだと店員が教えてくれた。街中でパブリックビューイングの準備みたいなのをしてたのはそのためか。しょっちゅう「カガーワ!ナガトーモ!」と声をかけられたのもそのためか。
日本人対決を見逃すわけにはいかないと思い、急いでご飯をかき込んでパブリックビューイング会場を探す。
チャイハナのようなところに満員の観客がいた。声援から察するにガラタサライのサポーターのようだ。
長友はフル出場、香川も途中からだが出場した。ガラタサライのキーパーが奮闘しており大盛り上がりだった。
試合後は渋谷のスクランブル交差点みたいなお祭り騒ぎ。後から知ったが、2位と3位の対決だった上にガラタサライはこの勝ちで首位に浮上したらしい。警察も出動していた。
ベシクタシュサポーターにもガラタサライサポーターにも声をかけられ握手や写真を求められる。特にガラタサライサポーターはチャントの音頭を取らせたり(トルコ語なので上手くできなかった)、お菓子を奢ってくれたりした。
トルコはかなりの親日国だが、長友と香川の力もかなりあるのではないかと思うのだった。
5.6
ラマダンが始まった。ちなみに実際にはラマザンと発音する。日の出が5時なので4時半に起きて街中で食べるものを探したが、どこの店も開いていない。そりゃそうか。明日からは前日のうちに朝ごはんを買わなければ。
宿に戻り二度寝をしてからアクダマル島へ。トラブゾン行きの夜行バスが16時半発しかなく時間的に不安だったが強行。ちなみに街中のレストランはほとんど閉まっている。開いている所もあるがとても暇そうだ。
10人集まったら出航するタイプの船に乗って島へ向かう。船を待っている間に「俺はムスリムじゃない、てか神とか信じてねえし断食とかクレイジーだ」というクルド人がチャイを奢ってくれたのでいただいた。断食失敗である。せめてご飯は我慢してみよう。
アクダマル島から見るワン湖は透明度が高かった
ここにはアルメニア教会がある。ワンはかつてアルメニア王国の中心だったらしい。ステパナケルトで会った女の子が「昔のアルメニアはもっともっと大きかったんだよ!」と言っていたのも頷ける。
外壁のレリーフが素晴らしい。幾何学模様は聖人像が彫られていたマークーの教会とは違い、説話のようなものがモチーフになっている
内部はあんまり保存状態が良くない、、、
島から見える景色も素晴らしかった。
慌てて島から戻り、何とか10分前にトラブゾン行きのバスに乗り込むことに成功した。
19時過ぎの日の入りまであと2時間というあたりから空腹がものすごく気になり始めた。バスは19時に停車し、スタッフの「エフタル(断食明けの食事)や!」の声でみんなが一斉に降りてレストランに駆け込んだ。店内はてんやわんやである。
バスで一緒だったトルコ人とエフタルタイム。鶏と野菜のソテーとピラウを頼んだらサラダやヨーグルトスープが付いてきた。
他の人たちが食べ始めたのを見て飯をかっ込む。旨い、旨すぎる。五臓六腑に染み渡る味とはこのことか。てか腹減りすぎて食っても食っても空腹感。しばらくしてから腹が満たされた感じになってきた。
断食はつらいが、たしかに食べ物のありがたみが身にしみるしムスリム間の連帯感は強まるだろうなと思う。とりあえず水分も取らない完全な断食に成功するまでは続けてみよう。