5.4 山奥のアルメニア教会とトルコへの国境越え@マークー
宿を出て朝ごはん探し。人気そうなバルバリー(厚焼きのナン)の店があったので購入。奥の回転式オーブンで焼きたてをくれる。1万3千レアル(10円)と価格もありがたい。
店の外には網とブラシがあり、ここにバルバリーを置いて炭などを払う
今日はマーカーから70kmほど離れた山奥にあるアルメニア教会へ。宿の人の紹介で80万レアルで往復タクシーをチャーターした。思っていたよりだいぶ安い。
コーカサスを思わせる草原と山を越えていく
聖タデウス教会(ガラ・ケリーサー)に到着。横には小さな集落があるだけだ。
後ろを向くとこんな感じ
現在の建物は建て直された部分がほとんどだが、祭壇のあたりは創建当初(紀元後68年らしい)の黒い石が残っている。
ガラ・ケリーサーとは黒の教会という意味である。キルギスのカラコルとかウズベキスタンのカラカルパクスタンの「カラ」も黒って意味だったっけ、などと思い出す。なんなら黒って言葉も似てるな。
モスクのミフラーブ(メッカの方向を示す窪み)のようなものまであり、イスラム教の影響をうかがわせる
ここの教会は壁のレリーフが美しい。やはりこれもイスラム芸術の影響なのだろうか。
マークーに戻り、トルコとの国境の街バザルガーンに向かう。乗り合いタクシーで3万5千レアルだ。
国境には闇両替商がうろちょろしている。
アルダビールとマークーの物価が想像以上に安く、弱い通貨レアルを50ドル分も余らせるという失態を犯してしまった。リラに替えるとどんなもんやろと聞いてみると、3.1万レアルで1リラだという。1ドルが約19万レアルということになってしまう。圧倒的ぼったくりである。(先週ドルをレアルに替えた時は1ドル=13.8万レアルだった)
いくら弱い通貨とはいえそれはないだろうと突っぱねると2.76万レアルまで下がった。それでも1ドル17万レアル換算。馬鹿げている。そりゃみんな闇両替で外貨を欲しがるわけだ。
そこでふと近くに両替所があることに気付いた。突撃してみると1リラ2.5万レアル。闇両替商よりは良いが、それでも1ドル15.6万レアル換算だ。レアル弱すぎるだろ。
この情報をもって再度闇両替商と交渉。「ベリーグッドレート!」とか言う割に両替所と同じレートまでしか下がらない。それなら最初にぼったくろうとしてきたお前なんぞに金は渡さんと再び両替所へ。
400円ほど目減りするが仕方ないと替えようとすると、端数の2リラ(36円)はコインがないので渡せないと言われた。ならばとキャンセルし別の闇両替商のところに再度赴く。こうして6935000レアルを277リラに両替。あとで計算したら5000レアルは出さなくても277リラになったのでコレクションとして残しておけばよかった。
イミグレまでは30分ほど緩やかな坂を登る。半端ない台数のトラックが並んでいる。トルコは経済制裁に加わらなくても大丈夫なのだろうか。
イミグレはとにかく人でごった返している。なぜか1つしかない出国窓口にスタッフがおらずしばらく待たされた。アジアあるあるのまともに並ばない押し合いへし合い行列だ。
待っている間に「このタバコをお前のタバコとして税関を抜けてくれないか」と頼まれた。おそらくイランはタバコが安い(70円くらいだ)ので大量にトルコに運びたいが持ち込み量の制限があるのだろう。
聞いてみるとトルコ人はイランにノービザで入れるらしい。そりゃ国境の人多いわ。
無事出国を終えトルコへ。出入国のスタンプが押されたビザは回収されてしまった。
入国審査もめちゃくちゃ混んでいた。こちらも窓口が1つしかない。自分の番になりスタッフを見るとスマホで動画を流しながらのんびり仕事をしている。お前がこの行列を作ってるんやぞ。
税関ではスタッフがニヤニヤと「このタバコお前のか?」「いくらだった?」などと聞いてくる。俺のだが価格は忘れたととぼける。なぜかそれでパスできてしまった。
荷物をX線に通し、俺が預かっていたタバコを元の持ち主がピックアップするとニヤニヤ兄ちゃんが「あれ?お前のタバコどこ?」と聞いてくる。こいつが持ってる、と正直に答え彼が兄ちゃんとトルコ語で話し始めた。よくわからないがパスできた。
タバコ預けマンと別れてバンに乗り国境の街ドウバヤズットへ。35kmほどだが8リラ(150円)と言われぼったくられているかと思ってしまった。イランで金銭感覚がバグっている。
ドウバヤズットはアララト山の麓の町だが、今日も明日も天気が悪く見えなさそうなのでワンまで移動してしまうことにした。
ドウバヤズットのバスターミナルで昼ごはんにレバーサンド。サンドイッチ以外が食べたかったが、トルコはサンドイッチすらもうまい。
ドウバヤズットからワンまで直通バスはなく、パトノスを経由しないといけないらしい。地図を見るとだいぶ回り道だ。地球の歩き方と書いてあることちゃうやんけ。まずは30リラで170km離れたパトノスへ。
バスはイランよりも高級感がある。
スタッフがまわってきてチャイをくれた。素晴らしいサービスだ
目の前の画面で上映してた映画の女優がもろタイプ
パトノスに着き、2時間後のワン行きのバスを待つ。ターミナルのショップの店員が「ここで待ってればバス乗り場まで車で送るぞ」と言ってくれた。ターミナルに来ないのかよ。
彼らはクルド人らしく、「クルド人は親切なんや」とお菓子やチャイも振舞ってくれた。
19時にターミナルがしまったので、彼らの車でバス乗り場の前にレストランに連れて行ってもらいチキンラップのようなものを購入。
その後、市街から少し離れた人気のない公道脇で降ろしてくれた。ここで待ってればバスが来ると言われ不安を感じながらも待っていると、ほかの乗客たちもやってきて一安心。
彼らとバスに乗り込みワンへ。深夜だからターミナルから宿まではタクシーかなあ嫌だなあと思っていると、バス会社のバンで市街地まで連れて行ってくれるサービスがあるらしい。その名もセルヴィス。Serviceのトルコ語読みかな。