2.25-28さらばイシククル湖、また会ったなビシュケク
2.25
インドから持ってきた最後の1袋のマギを朝ごはんにして出発。
本当はアルティンアラシャンという温泉地に山登りに行く予定だったが、登山口までのバスが9時からしかないらしいこと、雪崩の危険があるので昼過ぎまでに到着が望ましいが登山口から15kmほどあることから断念。
予定を前倒ししてカラコルからイシククル湖の南岸をまわることにした。
マルシュに乗り、F氏に勧められたタムガに向かう。
タムガとカラコルの間にセブンブルという奇岩群もあるそうだが、タクシーでしか行けず高いことからこれも断念。
イシククル湖の南側は北側より田舎で道路の舗装もしっかりしていないところが多い。タムガだと言われマルシュを降りると砂浜と牛と湖しかない。景色はとても美しいが、腹が減ったのに食い物の気配が全くしなかった。
10km歩いて隣の村にたどり着いたが、村人に聞くとここにもレストランの類はないという。
湖畔の通りは車が少ないものの、通る車はすべからくハイスピードで過ぎ去って行く。横を歩くのはなかなか怖い。向こうから2頭の馬が全力疾走してくることもあった。
村でやっとマルシュが捕まり、昼飯を諦めてスカスカへ向かう。
変な名前だが、別名をフェアリーテールキャニオンという渓谷である。
湖畔の公道からフェアリーテールに向かう分岐点で降りて2kmほどゆるやかな坂を登る。
ところどころ雪が積もる赤茶色の道を進んで行く。スターウォーズに出てきそうな感じだ。
人っ子ひとり見かけないし何の音も聞こえない。気分はさながら冒険家である。寂しさとワクワクが入り混じった気持ちを抱きながら30分ほど歩いたところで、目の前にいきなり不思議な形の岩たちが現れた。
イシククル湖とその向こうの山まではっきり見える。
南を見ると雪景色、振り返って北を見ると赤茶色の岩肌がよく見えるという不思議な光景だった。南向きの斜面の雪が溶けやすいからだろう。
ひとしきり歩き回って満足し帰り道を歩いていると、1台の車とすれ違った。
こっちがスカスカへの道かと尋ねられ、そうだと答える。ここを見た後ビシュケクまで戻るが途中まで乗せていこうかと言われ、ありがたくついていった。
図らずもスカスカ再訪である。
荷物を車に置いて身軽な格好で歩き回れたので、大きな岩にも登ってみた。
横から見ると登れる通路みたいな形に自然となっていて、いくつか足跡もある。なかなか怖いが景色は最高だった。
スカスカからトンまで乗せてもらい、そこからまた3km歩いてユルタキャンプに向かった。
子どもがロバだか子馬だかを乗り回していた
ユルタはモンゴルのゲルのような遊牧民のテントであり、キルギス国旗の真ん中にはユルタをモチーフにした模様が描かれている。この季節に開いているところは少ないが、あらかじめ調べておいたところにチェックイン。
1泊朝食付き1000ソムと少し高かったが、せっかくの機会だし疲れていたので宿泊することにした。夏はもう少し安いようだ。客は俺一人である。
湖から数十メートルのところにあり、山々も非常に綺麗に見える素晴らしい立地だった。大通りから3kmあるけど。
そんな場所にあるため夜ご飯は350ソムでオーナーご家族と一緒にいただくことになる。
プロフと人参サラダめちゃくちゃ美味しかった。止まらん。
明かりが少ないので夜は星がとても綺麗に見えた。
2.26
厚めのクレープのような薄めのパンケーキのような朝ごはん。素朴な甘みとバターが美味しい。
宿を出ると、イシククル湖の向こうの山は曇っていて見えなかったがこちら側の山がとても綺麗に見えた。この景色を堪能していれば大通りまでの3kmなどあっという間である。
大通りから5kmほど先のボコンバエバまで歩きながらマルシュが来たらそれに乗ろうと考えていると、普通の車が止まってボコンバエバまで乗せていってくれた。
ボコンバエバでCBT(インフォメーションセンター)に行ってみると、「この季節には大したもんはねえよ」とのこと。イシククル湖を離れるのは名残惜しいが、ビシュケクに戻ることにした。
ビシュケクまではマルシュルートカで250ソム。
行きと同様、美しい山に囲まれた道をひた走る。眼前に広がる山々の間を縫うように走っていくと、山に抱かれているような気持ちになる。
ビシュケクの南旅館に戻り、F氏と市場で買い出しをして夜ご飯を作る。このために南旅館に戻ってきたのだ。
2.27
今日はのんびりする日と決めていた。昼までは宿でごろごろした後、南旅館の近くのスタローバヤで日替わりランチが始まったと聞いて行ってみた。
このボリュームで130ソムはお得だ。味もおいしい。
腹ごしらえをすませたところでビシュケクの美術館を訪れた。キルギスの美しい風景や素朴な農民が描かれた絵が多い。
チュイコフという画家の絵が特に気に入った。
美術館からオルトサイスキバザールに行って朝ごはん用のサーロを物色。サーロとは豚肉の塩漬けである。試食をさせてもらい約200g(117ソム)購入した。赤身が多い燻製のベーコンみたいなサーロとほぼ全て脂身のサーロを100gずつだ。
キルギスでは未だに誘拐婚が存在するため、誘拐婚禁止の看板がたまに見られる。
今日のF氏特製ディナーはレバカツだった。旨し。
2.28
昨日買ったサーロをスライスしてパンと一緒に朝飯に。塩気が強いのでこの量で5日くらいは持ちそうだ。
今日も昼までごろごろ。イランビザができるまでの辛抱だ。
昼はビシュケクで一番人気のファイーザカフェへ。
看板メニューのラグマンを食べたが、正直先週食べたマディナバザールには及ばなかった。しかし店内は満員で人気の高さが窺える。
店を出て歩いているとタタミという名の和食屋を発見。いい名前だ。
ふと立ち寄ったショッピングモールのフードコートにも寿司とラーメンの店がある。やはり日本食はこちらでも人気のようだ。
そしてイランビザの代理店に進捗確認と月曜までは待つことを伝えに訪れた。
「ちょうどさっきあなたの結果が来たわよ。
今回もリジェクトだったわ。」
まじかーーーーーーーーーーーい!!!
ネットでイランビザがリジェクトされたなんて話聞いたこともないしましてや2回とも拒否ってなかなかないんじゃね?しらんけど
「もう一回ビシュケクで申請したらブラックリスト入りするそうよ」と言われ、とりあえずはイランビザ取得を断念。(言われなくても断念していたが)
トルクメニスタンからはアゼルバイジャンに抜けるしかないようだ。
急いでアゼルバイジャンビザの申請をオンラインで行うが、パスポートの画像がjpg形式でしか受け取ってもらえず苦労した。
アプリで変換してもなぜかハネられるので、南旅館に泊まっていた人にパソコンを貸してもらい何とか申請。3営業日以内にビザが届くはずである。さすがにアゼルバイジャンはリジェクトされんやろ、、、
と同時にイランのオンライン申請を懲りずに行う。アゼルバイジャンのバクー受取にしておいた。まあこれがダメだったらトビリシ(ジョージア)かバトゥミ(ジョージア)でもイランビザ取るチャンスあるし、最終手段として空路で入ってアライバルビザを取るという手もある。
この程度のことで俺がイラン行きを諦めると思うなよ!
南旅館最後の飯は麻婆豆腐。南旅館は本当に良いところである。