3.20-21 白と金と狂気の街@アシガバート
寒さや体の痛さ(地面に何も敷かずに寝てるからや)で何度か目覚めながらも無事朝を迎えた。
目覚めてしまった時にふと足元の方を見ると炎が燃え盛っているのはなかなか面白かったが、曇っていて星や朝焼けが見れなかったのが残念だ。
1時間半歩いてチャイハナに戻りバスを待つ。
太陽が出ておらず寒い。10時〜11時ごろにアシガバート行きのバスが通ると聞いていたが通らない。6時くらいにクフナウルゲンチを出ているはずだし、反対方向のバスは何本か見たのだが、、、
そろそろヒッチハイクに切り替えるかと思っていたところで、1台の車が止まってくれたのでそれに乗り込むことにした。こちらのヒッチハイクはお金を払うのが普通だ。交渉を重ねても80マナト(480円)と少し高めだったが、2時間立ちっぱなしだったし寒いしバスだと着くのが相当遅くなりそうだったしマナトには余裕があったし仕方ない。(と自分に言い聞かせた)
アシガバート郊外のタクシー乗り場で降ろされたので、併設されたカフェでラグマン 。麺が伸びてるわ味薄いわで今までで一番美味しくないラグマンだった、、、
タクシーでアシガバートに近付いていくと、遠くに白くて大きな建物がたくさん見えてくる。タクシーにはベルディムハメドフ現大統領の写真が立ててあった。
アシガバート駅で切符を購入。トルクメニスタンも列に並ぶのが苦手な方が多いようで、窓口の横からしれっとチケットを買うためにパスポートをねじ込んでくる。
郷に入れば郷に従えということで、とりあえず列のようなものに並んで窓口に近付き、スペースができた瞬間にパスポートを窓口の向こうにずいっと差し出しチケットを購入した。
トルクメンバシまで600km、14時間の旅だというのにたったの25マナトだ。名古屋の地下鉄の初乗り料金にも満たない。
宿にチェックインしてから街歩き。
宿は10ドルだと言っていたが、マナトを使い切りたいので交渉したら180マナトで泊めてくれた。さすがに公定レートではなく闇レートで換算してきたが問題ない。
アシガバートは世界一大理石が多い街か何かでギネスに載っていると聞いたことがある気がするが、それも納得の街並みだった。まだこんなのは序の口だということを翌日に思い知るのだが、、、
真ん中の黄金像はトルクメニスタンの前大統領ニヤゾフ(トルクメンバシとも呼ばれる)だ。独裁者である。
官庁が並ぶアシガバートの霞ヶ関のような場所は、立ち止まって写真を撮っていると警察が笛でピーピー注意してくるので少し怖い。警察はそこら中にいて見張っている。
どれが撮影OKでどれがNGかわからないので、基本的に全てiPhoneでさっと撮ることにした。たまに見つかって消去されるが、iPhoneには「最近削除された項目」というありがたい機能があるので助かった。
またアシガバートは噴水が多い。乾燥した中央アジアでこんなにちゃんとした噴水を見るのは初めてのことだった。砂漠地帯の国なのにこんな噴水がたくさんあるとオイルマネーで相当潤ってる(少なくてもそう見せてはいる)んだなと実感する。全くもって異様だ。
アシガバートは旧ソ連の大都市が持つ独特の冷たくて生活感のない雰囲気を数倍にしてそこに美しさと狂気を混ぜたような感じである。
こんなに面白くて狂っている街はそうそうないだろう。
中心部以外はその限りではなく、普通の中央アジアの都市っぽい感じのところも多い。
夜ご飯にはバザールのチャイハナでソースというトルクメニスタン料理をいただいた。ジャガイモと羊のあっさりトマトスープである。
デザートは屋台のフェッツィというトルクメニスタン風肉まんみたいなやつ
3.21
バザールのチャイハナで朝ごはんにプロフを食べる。こちらのプロフは見た目も味も他の地域とだいぶ異なっていた。まず肉がチキンだ。味付けは日本で食べるピラフに近い。
腹ごしらえが済んだので、バザール横のバスターミナルからバスでキプチャクモスクに向かった。バスは0.5マナトと破格の安さだ。もちろんベルディムハメドフ大統領の写真が飾ってある。
キプチャクモスクはニヤゾフ前大統領が造らせた豪華なモスクだ。周りにはこれでもかというくらい噴水がある。独裁者の権力を感じる。
警備員以外には3人ほどが外にいるだけで、中はがらんとしていた。
モスクの横にはニヤゾフ廟があり、2人の警備員が直立不動で見張っている。5つの墓石があることから、ニヤゾフの親族も眠っているようだ。
またモスクを背にして少し歩くとニヤゾフの黄金像もある。ニヤゾフ尽くしだ。
もう一度バスターミナルに戻り、中立の塔へ向かった。バスが多すぎて分からなかったので近くのおじさんに教えてもらった乗り場で待つ。しばらくするとおじさんがやって来て「間違えた、こっちだ」とバスまで連れて行ってくれた。
バスの中では英語が話せる高校生たちに絡まれ、一緒に中立の塔を見学することになった。
途中の車窓の景色に驚嘆した。白いマンションのような建物がずらっと続いている。なぜこんなにアシガバートは白い建物が多いのか高校生たちに尋ねると、「理由は分かんないけど何かかっこいいじゃん」とのこと。
永世中立国といえばスイスが有名だが、トルクメニスタンも永世中立国らしい。その記念に建てられたシンボルがこの塔。
ただ中立の塔のてっぺんに黄金の大統領像があるのは違和感がある。
彼らと別れひたすら歩く。ここでも白い建物が数キロにわたって続いていた。おそらくマンションだが入居率はどれくらいなのかが気になるところだ。
途中で電気製品のバザールみたいなところがあったのでそこのチャイハナで昼ごはん。クウルマという煮込み料理だ。
独立記念の塔
やはりニヤゾフが立っている。
この近くにはニヤゾフの著書ルフラマのモニュメントもある。ニヤゾフが死ぬまでは全国民が所持し読むことを義務付けられ、ルフラマを延々と朗読するだけのテレビチャンネルがあったくらいの代物だが、今は入手困難らしい。
アシガバート中心部にスポーツ関連の建物が密集している場所があり、その中はモノレールのような線路もあった。車両は見当たらなかったが。スタジアムがめちゃくちゃ立派だ。大きな馬のモニュメントも見える。
夕方になったので、宿に荷物を取りに行って駅に向かった。チケットを買うときにファーストクラスと連呼したのにセカンドクラスだった。マナト使い切りたいしセカンドクラスと100円くらいしか変わらないからファーストクラスが良かったのだが、、、
セカンドクラスは3段ベッドだ。19時半発でトルクメンバシには9時過ぎに着くらしい。