2.4 ハイデラバード
スリーパークラスの電車でハイデラバードへ10時間の移動。
インドの列車は基本的に予約開始と同時に売り切れることが多く、2週間前の段階ではRAC(とりあえず乗れることは確定してるけど、キャンセルがたくさん出なかったら何人かで1つのベッドをシェアしてねというチケット)しか取れなかった。
俺の場合は63人がキャンセルすれば1人で寝れる。
インドの列車はキャンセル料が安いことと、スリーパークラスは母数が多いことに賭けた。
その結果、、、、
ベッドチャレンジ成功!!!(なぜか電気がつかない)
と思ったら図々しくも座ってくるインド人。
「みんなで飯食うから30分だけスペース貸して」とのたまいやがる。
いいよとは言ったけど夜9時半にこの狭いスペースで8人くらいで飯食うなよ。各自のベッドで食えよ。
どうせ1時間くらい居座るんだろうなーと思ってたら20分で解散。
ええやつらやんけ!!!(なんか違う)
そのあとは何事もなく朝8時半にハイデラバードに到着。バンガロールより少しトゥクトゥクが鬱陶しいが、デリーやバラナシに比べたら屁みたいなもんである。
本当はハイデラバードに着いたら即ラモジフィルムシティに向かいバーフバリのセットを拝む予定だったのだが、どうやら先週で終了し撮影が始まるらしい。
ずっと続いてたのがよりによって先週終わるって、、、
今週行ってみたら見れたという声も聞いたが、往復3時間+高い入場料を考えるとここはベタオリである。ハイデラバードにいれるのは1日しかないのだ。
というわけでまずはハイデラバードのランドマークであるチャールミナールへ。
チャール(4)ミナール(尖塔)って名前のまんまやな。てかハイデラバードの公用語はテルグ語だけどこの単語がヒンディー語なのはなぜなのか。
チャールミナールはイスラム系の建物なのに足元にヒンズー教寺院がある。さすがインド。さすがヒンズー教。
上に登ると街が見渡せる。右にメッカマスジッドが見える
内装もいい感じ
昼ごはんはマトンビリヤニ。ハイデラバードで1番有名な店らしい。
ハイデラバードといえばビリヤニ、ビリヤニといえばハイデラバードである。
うどんで言う讃岐のようなものだ。
こうやって具と米を層にして炊くらしい。
川岸が南国っぽかった。ちなみに川はゴミだらけで黒く濁りめちゃくちゃ臭い。
インドでよく遭遇する匂いである。
公文の看板を発見
ゴルコーンダフォート。
ダンジョン感がすごくてワクワクする。
ただ正午過ぎの暑い時間にバックパックを背負って登るのはなかなかきつかった、、、
ネパールはもっと大変だったぞと自分を奮い立たせ登っていく。
良い景色〜〜〜
こう見るとハイデラバードという街がいかに大きいかが分かる。バンガロールに次ぐIT都市らしい。
暑すぎたので屋台で1杯10ルピーのパイナップルジュース。皮をむく系の果物(バナナとかオレンジとか)以外のフレッシュジュースは衛生的に怖いから飲まない主義だが、なにしろ暑すぎる。
美味しかったし、結局腹も壊さなかった。
最後はチョウマハラパレス。
ハイデラバードの建築は丸さがあまりなく四角っぽいものが多い気がする。
中めっちゃ綺麗だけど閉園1時間前から床掃除始めるなよあと1時間待ってくれよ
そして早めの夜ご飯。
適当に安くて美味そうな店に入る。17時なのにほぼ満席だ。
相席になった兄ちゃんが「ここはChicken fry with bonesってのが美味いぞ。おっお前いいカメラ持ってんな俺の写真撮ってWhatsAppで送ってくれよ。おっとまだ撮るなサングラスかけるからな」と話しかけてくる。
いいやんイケメンやん
こちらが彼おすすめのチキン。
揚げたてカリカリの表面、スパイスが染みこみ柔らかく肉汁溢れる肉、、、
はっきり言ってめちゃくちゃ美味い。タンドリーチキンとかチキンティッカとかいろいろ食べたけどそういう系の中で1番うまかった。
これ全部で170ルピーは嬉しい。
そんなに多くなかったのではしごしてチキンビリヤニを食す。ハーフサイズでこの量。しかも60ルピー。昼はちょっと高めの店だったとはいえ5分の1以下やんけ。
スプーンがないのか全員右手で食っていたので、こちらもそれに倣う。
ビリヤニは汁気がないから手で食べやすい。
昼に比べるとスパイスの香り高さや際立ち方が弱いが、これはこれでとても美味しい。足元で2匹ほど猫がうろちょろしているのが気になったが。
デザートにバナナを買ったが、1本(5ルピー)だけ買おうとしたら3本10ルピーでいいぞと言われたので3本もらう。
2本残ったけど明日の朝ごはんにしようかな〜などとぼんやりしていると、物乞いの親子が何か恵んでくれとやって来た。
普段は物乞いに何も渡さずスルーするのだが、今日はバナナを渡した。
子供が無垢な笑顔をこちらに向ける。
そしてまずは1本を母娘2人で分けあっていた。
物乞いをいつも無視する俺がなぜバナナを渡したか。バナナが邪魔だったからだ。ビリヤニとチキンが美味しくて機嫌が良かったからだ。自分本位な理由からである。
正直なところ物乞いを見ると「そんなことしてないで働けばいいのに」と大なり小なり思ってしまうし(自分はまともに働いたことないのにね)、幼い子供に「物乞いをすれば生きていける」などとは思わせたくはないのだが、それはこちらの言い分であって、彼ら(彼女ら)にはそれぞれののっぴきならない事情があるのだろう。食べ物がなくて死んでしまっては元も子もない。
この国はよそ者がちょっとやそっとでは分からないような複雑な事情が多すぎる。
同情を引くために四肢のどこかを切り落としたり、赤子をレンタルして物乞いをする人がいたりするというが、おそらくそういう人達はほんの一部だろう。
至極当然のことではあるが、生まれた場所や家族によって人生はえげつないくらいに左右されるのだということを改めて認識した。
と同時に、日本に生まれて生命や最低限の生活が左右されるレベルでの悩みや困難に出会っていないことがいかに恵まれているかを痛感する。
そしてハイデラバードを去る。
空港がとってもお洒落だった